1. 研修の目的
小児の特殊性を理解し、小児の保健医療(Primary Health careとPrimary medical care)を扱う医師として必要な基本的知識、技能、態度を修得する。
2. 研修到達目標
- 問診及びカルテ記載の仕方の修得。
主訴、現病歴、既往症、家族歴などを系統的かつ速やかにとり、記録できる。 - 小児の基本的身体診療法の修得。
視診、聴診、触診、打診による診察の仕方、神経学的所見の取り方を修得する。 - 小児における臨床検査の実施と判読理解。
検尿、末梢血液検査、血液生化学検査、便検査、穿刺液検査(髄液、胸水)、血液ガス分析検査、骨髄検査、単純X線検査、超音波検査、(心臓、腹部)、CTスキャン及びMRI検査 - 小児の成長、発達の理解
未熟児・新生児医療、発達外来を通して小児成育医療を理解する。また、母子手帳を理解し、活用できるようにする。 - 小児の主な疾患についての病態生理、臨床症状、検査所見、治療法などについての理解。
問診、身体所見、検査所見より診断し、問題点をあげ、治療計画をたてることができるよう修得する。1. 小児急性感染症(1) 呼吸器感染症:上気道炎、気管支炎、肺炎など
(2) 消化器感染症:感染性胃腸炎など
(3) 尿路感染症
(4) 中耳炎
(5) 中枢神経感染症:髄膜炎、脳炎など
(6) ウイルス感染症:麻疹、流行性耳下線炎、水痘、突発性発疹症、インフルエンザなど2. 小児の脱水症についての理解と輸液管理の修得3. 小児けいれん性疾患熱性けいれん、無熱性けいれんの初期治療及び抗けいれん剤の使い方を修得する。4. 小児喘息喘息の程度に応じた治療法、生活管理法を修得する。5. その他(1) 先天性心疾患
(2) 先天異常及び染色体異常
(3) 血液、腫瘍:貧血、白血病、悪性リンパ腫、出血性疾患など
(4) 腎疾患:溶連菌感染後急性糸球体腎炎、慢性腎炎、紫斑病性腎炎、ネフローゼ症候群など
(5) 免疫、アレルギー性疾患:川崎病、若年性関節リウマチ、SLEなど
(6) 内分泌、代謝性疾患:下垂体疾患、甲状腺疾患、糖尿病など - 小児救急医療についての理解
バイタルサインの把握、重症及び緊急度の把握、一次救命処置(BLS:Basic Life Support)、二次救命処置(ACLS:Advanced Cardiovascular Life Support)を理解し、修得する。 また、アナフイラキシーショック、異物誤飲・誤燕の対処の仕方についても修得する。 - 予防接種についての理解
予防接種の重要性を理解し、その種類、接種間隔、接種方法などを修得する。