1. 研修の目的
婦人科疾患(特に、急性期)の診断・治療に関して技術的、学問的な基礎を確立する。
また、妊娠の母体・胎児及びその分娩の生理的過程を十分習熟する。
更に、産科・婦人科緊急に際しての基礎的な技術を習得する。
2. 研修の目的
(1) 婦人科疾患の管理
- 良性疾患の診断、治療を行う。
- 悪性疾患の診断、治療方針の策定を行う。
- 超音波、CT、MRIなどの画像診断を学ぶ。
- 婦人科救急症への対策を学ぶ。
(2) 母体・胎児管理
- 正常分娩を正しく取り扱い、その生理的過程を十分修得する。
- 胎児心拍数モニタリングを用い、胎児の状況を正確に評価する。
- 超音波を用い、胎児の形態的、機能的異常を評価する。
- ハイリスク妊娠の母体管理を行う。ハイリスクを評価し、必要に応じて関係各科との連携をとる。
- 母体搬送例を中心とした産科救急への対応を学ぶ。
(3) 新生児管理
- 正常新生児の取り扱い、基本的技能を修得する。
- 新生児蘇生の方法と理論を研修する。以下のことは、NICUとの連携による研修とする。
- 新生児管理に必要な基本的技能、点滴路確保、輸液及び輸血療法、気管内挿管、人工換気療法、新生児黄疸対策等を修得する。
- 血液ガス、電解質、血中ビリルビン値測定、CRP測定、新生児聴覚スクリーニング検査などの新生児医療のルーチン検査を修得する。
- モニター、人工呼吸器、輸液ポンプ等の機器の保守点検を行う。
3. 目的達成のための具体的課題
(1) 以下について、述べることができる。
- 妊娠、分娩、産褥の生理
- 胎児の分化と発育
- 新生児の生理
- 良性疾患の病態
- 悪性疾患の病態、治療法の原則
- 不妊、内分泌異常の病態
(2) 以下の診察を身につける。
- 視診
- 触診 (双合診、内診、Leopold触診法)
- 新生児診察(アプガー、シルバー、マンスコアを含む)
(3) 産婦人科一般検査を実施し、結果を判定できる。
- 超音波検査法
- 膣分泌物検査法
- 分娩監視装置による検査法
- 新生児モニター
- CT検査、MRI検査
- 細胞診、コルポスコピー、組織診
(4) 以下の疾患を経験する。
- 妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥)
- 女性生殖器及びその関連疾患(無月経、思春期・更年期障害、外陰・膣・骨盤内感染症 骨盤内腫瘍)
(5) 成育医療の現場を経験する。
小児・成育医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、
- 周産期の各発達段階に応じて適切な医療が提供できる。
- 周産期の各発達段階に応じて心理社会的側面への配慮ができる。
- 母子健康手帳を理解し、活用できる。