宮崎県立宮崎病院 - Miyazaki Prefectural Miyazaki Hospital

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第31号 県病院からこんにちは

2020.06.10

今回の医療トピック!

耳鼻咽喉科より

~頭頸部癌について:最近のトピックスを交えて~

 皆さん、こんにちは。耳鼻咽喉科より頭頸部癌につきましてご紹介致します。

 頭頸部とは首より上の範囲で脳と眼球を除く組織の事を示します。それは顔面などの整容面、嚥下、呼吸などの機能面、嗅覚、味覚、聴覚などの感覚面など多様な役割を果たす生態にとって重要な部分でもあります。あまり馴染みのない言葉と思いますが、大学病院、基幹病院は頭頸部治療を果たすことが多いため、耳鼻咽喉科・頭頸部外科もしくはがんセンターなどでは頭頸部外科、頭頸部腫瘍科などと標榜することが多くなりました。

 頭頸部の悪性腫瘍を頭頸部癌と言い、最近ではタレントの堀ちえみさんが舌癌を患ったため皆様にも知れ渡るようになりました。近年の癌治療は集学的治療が行われ、頭頸部領域は、消化器外科内科、腫瘍内科、放射線治療科、歯科口腔外科、形成外科、皮膚科、脳神経外科、病理診断部など多様な科との連携が必要になり、またリハビリテーション科との理学、嚥下リハビリ(癌リハビリテーション)、緩和ケア科、精神科、薬剤部による疼痛、心身のケア(pain control team)、代謝内科、栄養管理科による栄養管理(nutrition support team)など多岐にわたる分野との連携を行います。その中で頭頸部外科医がオーケストラの指揮者のようにタクトを揮い、素晴らしいアンサンブルを奏でなければなりません。

 頭頸部癌は、頻度の多い順に、中下咽頭癌、口腔癌、喉頭癌で、その他甲状腺癌、頻度は少ないですが鼻副鼻腔癌、唾液腺癌、聴器癌などがあります。中下咽頭癌、口腔癌、喉頭癌は組織型がほぼ90%扁平上皮癌であり、頭頸部癌といえば前述の3つの癌の治療法、治療成績が主体となります。疫学的には上咽頭癌がEBウイルス、中咽頭癌の一部がヒトパピローマウイルス(以下HPV)の感染による発癌、その他喫煙、アルコール多飲に伴う発癌が認められます。特に中咽頭癌はHPV感染の有無でTNM分類が2018年に見直しを受けております。この背景には、若年性の中咽頭癌は予後良好な症例が多く、HPVがsexial behaviorが原因とされ、感染のない症例と比較し生存率が高いことから見直しになりました。

 頭頸部癌の治療は、近年目覚ましい進歩を遂げており、数年前と比較すると生存率、治療方法が大きく異なっております。以前は拡大切除、遊離皮弁を用いた再建が1990年代世を席巻する治療主体となっていましたが、その後音声機能など機能温存を目指した放射線化学療法:照射方法、照射範囲、回数などがbrush up、ダヴィンチなどのロボット手術、内視鏡を用いた局所切除:咽喉頭癌、甲状腺癌などが出現、ノーベル賞で話題となったオプジーボ(nivolumab)による癌免疫療法による生存率の延長、さらに2019/12月承認となったキイトルーダ(オプジーボと同様の免疫チェックポイント阻害薬)の登場など治療の選択肢が増えました。

 宮崎県立宮崎病院に於きましても、事務部、手術部、病棟の方々の協力をいただきまして、2019年11月より徐々に県内基幹病院としての役割を少しずつではありますが、果たせる体勢が整いつつあります。現在宮崎大学形成外科協力のもと拡大手術、再建外科手術に関しては大学同等の手術を行えます。今後ダヴィンチによるロボット手術施行につきましてもロボット導入が行えれば、県内唯一の頭頸部ロボット手術施設になることも可能です。放射線治療につきましては、強度変調立体多門照射(IMRT)が導入可能になればより合併症の少ない有効な治療が、化学療法につきましても腫瘍内科と連携して行うことができればより質の高い全身管理など、今後全てにおいて大学を越える癌専門治療施設になり得ます。その目標に向かって県民の皆様の安全かつ高いレベルの医療提供につながる事を夢見てご紹介とさせていただきます。

どうぞ耳鼻咽喉科を宜しくお願い申し上げます。

 (文責:耳鼻咽喉科 川畑隆之)

小児外科より

 宮崎県立宮崎病院小児外科は、2011年(平成23年)4月より宮崎県立宮崎病院の診療科として掲げられました。小児外科学会が認定する専門医が診療にあたる施設は、県内には当院と宮崎大学病院の2つしかありません。最近、「最上の名医」という漫画や「グッドドクター」というTVドラマを介して小児外科が紹介される機会がありましたが、漫画やドラマには虚構や幻想がつきものです。今回、あまり知られていない小児外科について紹介させて頂きたいと思います。

 小児外科の対象となる患者さんは、生まれてきたばかりの赤ちゃんから概ね15歳までの小児が対象となります。消化器を中心として、呼吸器や泌尿器科、耳鼻科、皮膚科、婦人科の疾患の一部も、診断・治療の対象となります。異物誤飲や外傷などの小児救急疾患も関連各科の先生方と一緒に対応しています。漫画やドラマと違って脳神経外科、心臓血管外科、整形外科の治療はできません。当院の小児外科は、2011年4月開設から2019年12月までに1000件以上の小児の手術を行ってきました。最近5年間は年間200件以上の手術実績があり、新生児の手術件数も増えてきました。

 小児外科の特徴は、様々なからだの問題を手術で解決し、こどもたちが出来るだけふつうの日常生活を送る事が出来るようにお手伝いする事です。

 からだやこころに大きな傷跡が残る治療は好ましくありません。そこで、当科では積極的に内視鏡外科手術を導入し、約70%の手術を内視鏡外科手術で行ってきました。特に、鼠径ヘルニアは、年齢・性別を問わず、年間100件以上を腹腔鏡手術で行っています。急性虫垂炎や肥厚性幽門狭窄症も、全例を腹腔鏡手術で完遂しております。最近では、胸腔鏡手術にも力を入れています。2019年には呼吸器外科の先生方と協力して、乳児の嚢胞性肺疾患に対して胸腔鏡補助下肺葉切除術を行いました。また、県立宮崎病院では初めてとなる漏斗胸に対する胸腔鏡下胸骨挙上術(Nuss法)や、新生児先天性横隔膜ヘルニアに対する胸腔鏡下横隔膜形成術も行いました。少ないマンパワーではありますが、県民の皆様の期待に応えるべく高度な医療を提供しています。

 社会において「こどもは未来に向けての宝物」です。「日本は少子高齢化が急速に進んでいる」と言われていますが、これは宮崎県にとっても例外ではなく、宮崎県の0歳~14歳までの年少人口総数は、5年前と比較して7000人以上減っています。家族の皆様におかれましても、地域においても、1人1人のこどもが、かけがえのない貴重な存在になっていると思います。

 私達、小児外科医にとって、ご家族に安心してこどもを預けて頂き、安全な医療を提供し、治療後もこどもたちが充実した社会生活を送るという事が目標ですし、責務であります。より充実した小児外科診療が行えるように令和2年4月より1名増員となり、2人体制で小児外科診療を行います。県民の皆様の期待にこたえられるように、より一層、努力していきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

 (文責 小児外科医長 永田公二)

診療科紹介

  感染管理科

 感染管理科は、医師(インフェクションコントロールドクター)2名、看護師(感染管理認定看護師)2名で構成され、院内感染対策、感染症指定医療機関としての業務を主に行っています。他には薬剤師、検査技師を含めた感染対策チームを結成し、多職種が連携して院内感染対策を行っています。この原稿を草稿時は、新型コロナウイルス感染症が国内で急激に拡散し、首相による小中高の国内一斉休校の指示が出て、挙国の感染対策が叫ばれています。そして、感染症指定医療機関である当院も、県下の感染症対策の中心を担う医療施設として、県や保健所と連携しながら、急ピッチで有事体制、患者受け入れ、診療体制を整えている最中です。

 平時では、感染管理科として院内の感染症発生状況や耐性菌検出状況の監視、感染症診療の適正化、適正な抗菌剤投与、標準予防策の順守状況監視、教育指導、院内環境整備の業務を主に行っています。毎週、ミーティングを開き、耐性菌検出状況と抗菌薬適正使用状況監視、院内ラウンドを行い、定期的な院内研修と各部署代表者からなる委員会を開催し、院内の感染対策普及活動を行っています。

 現在流行拡散中の新型コロナウイルスをはじめとし、流行の恐れがあるエボラ出血熱、SARS、MERS、新型インフルエンザ等の新興感染症、そして、宮崎での発生報告が多いダニ媒介感染症やSFTS、低免疫状態で発症する結核などの感染症の診療対応、院内感染対策を行っています。

ICTミーティング

 感染対策の基本は、手指衛生(手洗い、手指消毒と咳エチケットを中心とした標準予防策です。その上で、各疾患に応じて、手指消毒、手袋、ガウン着用などを主とした接触予防策、外科用マスク着用を主とした飛沫感染対策、N95マスク着用と空調管理が必要な空気感染対策の三つの経路別感染対策が必要となります。

新型コロナ体制ミーティング
PPE着用 対応

 新型コロナウイルス感染症のように新しい感染症が突然発生し、急激に拡散し、医療現場が混乱する有事でも、より安全な医療が提供できるように平時から準備し、活動しています。

手術室

<手術を 乗り切 るための対処法>
禁酒・禁煙、喀痰排出法、体の動かし方など
全身麻酔では口腔ケアが重要です。

 手術室です。スタッフは麻酔科医7人、看護師27人、ナースエイド2人、クラーク1人です。看護師は、手術看護だけでなく、各科病棟経験の豊富な者など様々です。
手術室は7室あり、外科、小児外科、整形外科、産婦人科、心臓血管外科、脳外科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、眼科、皮膚科、内科の手術を行っています。曜日や時間帯によっては、6室同時に手術が可能です。

 手術件数は2018年度は4420件麻酔科管理2839件、当科管理1581件)でした。診療科別では、整形外科、産婦人科、外科が多いです。小児外科に限らず、各診療科で15歳以下の手術も多いです。また、当院は日本臓器移植ネットワークの腎移植施設でもあります。1988年の第1例以降、これまでに献腎移植、生体腎移植は計100例を超えました。

 現在は、少子・超高齢化が進み、それに比例して認知症や複合的な疾患を持つ患者さんは増加の一途をたどっています。一方で、手術医療は、医療技術の進歩、手術器機・資材の開発によって低侵襲手術が進化し、従来なら手術が望めなかった患者さんであっても、治療法として手術を選択できるようになりました。当院でも、各診療科で鏡視下手術が増加しております。患者さんの年齢も0歳から100歳超と幅広く行っています。

 手術室看護師は、新しい手術や医療機器に対応できるよう、毎月勉強会を開催しています。院外の勉強会や各種講習会、セミナーなどにも参加し、知識・技術を習得しています。手術室経験年数に関係なく、安心・安全な質の高い手術看護を提供できるよう、新人看護師には、担当の先輩看護師がつき、丁寧に指導しています。

 手術を迎えるまで外来通院で過ごされ、術前日に入院という時代です。手術室看護師は、限られた術前の時間を最大限に活用し患者さんやご家族が安心して安全に手術を受けられるよう術前訪問を実施しております。
手術に至るまで、さまざまな不安や葛藤に揺れ動いてきたことを理解し、思いを表出していただけるように、思いに寄り添った看護を提供してまいります。患者さんが受けられる手術が安全に最大限の効果を発揮できるよう、チーム一丸となってお手伝いさせていただきます。

エキスパートナースの紹介

看護学生を支援する看護部

 看護師になるには、専門学校等養成機関卒業後に看護師国家試験に合格する必要があります。どの養成機関でも病院実習が必須です。宮崎県でも多くの看護学生さんが、(看護師、助産師や保健師を目指せます)頑張っています。

 そして県立宮崎病院では、県立看護大学や看護専門学校8 校の実習生を年間延7,376 名(H30 年度実績)受け入れました。

看護学生実習を支える当院看護部のエキスパートナースをご紹介します

 実習指導者も看護の原点を振り返る機会となります
看護学生の実習を承諾頂ける患者さんとご家族に感謝致します

県立宮崎病院再整備事業について 

 県立宮崎病院では、施設の老朽化・狭隘化に対応するため、また、基幹災害拠点病院として必要な機能を整備するため、現地建て替えによる再整備事業が進められています。
 平成30年度に工事に着手した立体駐車場は、完成後、令和元年5月に共用が開始され、現在は、新病院の建設工事が、令和3年度の完成を目指して進められています。
 新病院完成後は、移転作業を経て、新病院での診療が開始されますが、その後も、現病院の解体、駐車場の整備など、令和5年度のグランドオープンを目指して整備が進められていきます。

新病院の建物概要

階数:地上8階、塔屋1階
構造:鉄骨造(免震構造)
延べ面積:約48,000㎡
(現病院40,378㎡)
(既存建物)
立体駐車場6,676㎡
研修棟3,360㎡
駐輪場590㎡
災害備蓄倉庫340㎡
倉庫250㎡

工事の進捗状況写真(新病院建設工事現場東側より撮影)

令和元年8月 地盤改良工事中
令和元年10月 杭工事中

令和2年2月 基礎工事中

外来駐車場のご利用について

 新病院建設工事に伴い、外来駐車場につきましては、本館東側の立体駐車場をご利用いただいております。
 また、立体駐車場が満車の際には、周辺道路の渋滞を緩和するために、迂回路をご案内させていただいております。
 ご来院のみなさまには、ご不便とご迷惑をおかけしておりますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
 なお、今後、外来駐車場の運用が変更になる場合がございましたら、当病院のホームページ等でお知らせいたします。

看護師·ナースエイド(看護補助員)募集

心によりそう看護を 私たちと一緒に!

申込区分看護師・助産師(フルタイム)
業務内容看護師・助産師に関する業務
募集要件・年齢、性別は問いません。
・看護師免許あるいは助産師免許を保有している方に限ります。
・夜勤可能な方とします。
勤務時間8時30分から翌9時15分までの間で、3交代あるいは変則2交代勤務
※4週8休の交代制勤務(シフト制)
給与(見込)月額192,400円~209,800円(夜間勤務手当別途支給)
申込区分看護師・准看護師(パートタイム) 
業務内容看護師に関する業務
募集要件・年齢、性別は問いません。
・看護師免許あるいは准看護師免許を保有している人に限ります。
勤務時間A:6時間50分勤務       
日勤 08:30~16:20      
遅出 09:25~17:15
B5時間50分勤務
日勤 08:30~15:20
遅出 10:25~17:15
※4週8休の交代制勤務(シフト制)  
※必要が生じた場合は、時間外勤務が発生します。
給与(見込)A:6時間50分勤務
看護師 日額8,078円~8,808円
准看護師 日額7,179円~7,679円
B5時間50分勤務
看護師 日額6,896円~7,519円
准看護師 日額6,129円~6,555円
申込区分ナースエイド(夜勤なし)
業務内容看護補助者に関する業務
募集要件・年齢、性別、資格の有無は問いません。
・次のうちいずれか一つに該当する方は応募できません。
勤務時間6時間50分勤務(勤務時間はシフトによる)
(例)早出 06:40~14:30  日勤 08:30~16:20  遅出 13:00~20:50   
※4週8休の交代制勤務(シフト制)
給与(見込)1 日額6,856円~7,398円
2 通勤手当の他、一定の条件を満たす場合は、在職期間に応じた期末手当が支給されます。
また、勤務実績に応じた手当(時間外勤務手当等)が支給されます。
加入保険例健康保険、厚生年金保険、雇用保険及び労働者災害補償保険
  • 毎月1日~10日募集 → 12日~15日面接試験
  • 毎月16日~25日募集 → 27日~30日面接試験

詳しい募集内容は、県立宮崎病院ホームページ 又は、県立宮崎病院看護部までお問い合わせください。
<応募先及びお問合せ先>
電話:0985-24-4181(代表)

編集後記

 現在、世界中が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威にさらされています。2020年3月29日現在、国内感染者数1499名、国外では507,065名となっており、依然として増加に歯止めがかかっていない現状です。この歴史的苦難にまずもって打ち勝っていかねばなりません。

 さて、今回の医療トピックですが、耳鼻咽喉科からは、「頭頸部癌について」の最新の動向と治療法について詳細に解説して頂きました。また小児外科からは、ここ5年間は年間200件以上の手術が行われており、4月からスタッフが増員となること、現在、内視鏡外科治療に積極的に取り組んでおられることが報告されています。

 新病院建設が佳境に入っており、工事で大変なご不便をおかけしておりますが、何卒、ご理解、ご協力をお願いいたします。

広報委員会委員長 神経内科 湊

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