宮崎県立宮崎病院 - Miyazaki Prefectural Miyazaki Hospital

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第21号 県病院から こんにちは

2010.04.07

精神医療センター開所後の1年間を振り返って

センター長 橋口 浩志

 県立宮崎病院精神医療センターは、平成21年4月7日の開所から約1年が経過しました。この1年を振り返りつつセンターの近況をご報告したいと思います。
 基本的な医療機能は、県内の精神科医療の中核施設となるべく精神科の3次救急や急性期治療、身体合併症、児童思春期、難治性及び医療観察法通院治療を担う事でした。しかしながら、現実にはこれらの機能すべてに対処出来る人員体制があるわけでもなく、是々非々で対応してきました。県立精神科病院であった富養園から県立宮崎病院の一診療科へと移転したことは、私たちにとっては従来の精神医療からの脱却と近代化、高度化、迅速化を迫られることも意味しました。そのため、開所以来どのようになるのか予想も出来ない、ある意味日々手探り状態での診療でした。そのような状況下、外来・病棟・コメディカルなどセンター職員一丸となって最初の診療体制を立ち上げてきました。
 外来部門は完全予約制で、成人・児童思春期の2つの診療部門と訪問看護、デイケア、医療観察法通院治療などの在宅支援等の精神科リハビリテーションの3つの部門があります。3歳ぐらいから80歳代までと広範な年齢層の患者さんが受診され、順調に受診数も増加しております。対象疾患も児童精神障害から成人の精神疾患全般に関して診察を行っています。加えて院内からの紹介につきましてはその依頼に関して柔軟に対応しています。外来初診数の児童思春期(15歳以下)と成人部門(16歳以上)の割合は4対6であり、紹介率は8割となっています。
 入院部門においては措置入院や緊急入院の受け入れなど行い、身体疾患を合併した精神障害の患者さんを本館の各診療科や県内の精神科医療機関から受け入れております。子どもの入院は総入院患者の約1割で推移しています。身体合併症など病棟スタッフの対応も以前と比較にならないほど多忙を極めています。平成22年1月までの平均病棟稼働率は約7割、平均在院日数は約40日程度で移しています。
 慌ただしかった開所からの1年を振り返り、新富町から宮崎市内に移転してそのスピードの変化に戸惑いつつ、スタッフの熱意に支えられての1年でした。県内の医療機関との連携も今後ますます重要となっていきます。まだ開所してわずか1年であり、行き届かない部分もありますが、県内の精神医療に貢献したいと考えています。皆様のご協力・ご支援よろしくお願い申し上げます。

大規模災害訓練とDMAT活動

県立宮崎病院は基幹災害拠点病院に指定されています。

災害対策チームは平成16年度に院長直属のチームとして発足しました。活動内容は災害医療に関する研修や訓練の企画と実施、備蓄倉庫の整理などです。大規模災害訓練では・・・

  1. テント設営訓練
  2. トリアージ訓練
  3. 応急救護所対応訓練
  4. 災害対策本部設置訓練 などを同時進行で行います。
東京(立川)でのDMAT研修

 最初は右も左もわからず混乱した状況でしたが、訓練を繰り返すことにより職員1人1人が災害を身近なものとして捉えることができるようになりました。災害医療は実体験が不足する分、訓練による疑似体験が大切だと言われています。宮崎でもM7.0クラスの地震発生が危ぶまれており、発災時の被害を最小限に抑えるためにもこうした地道な教育・啓蒙活動を続けていきたいと思っております。

 当チームのもう一つの機能として、DMAT(災害派遣医療チーム)活動があります。 DMAT隊員は、大規模災害発生時に災害現場で円滑な医療活動を実践するため特別な訓練を受けた医療従事者であり、宮崎病院には13名の登録隊員がいます。派遣依頼にいつでも対応できるように日頃から自主的な訓練と学習を継続しているところです。
 このように、地道な活動ではありますが、宮崎の災害医療の発展を目指して努力を続けていく所存です。

県民の皆様のご理解とご協力の程よろしくお願い致します。

C型肝炎のあたらしい治療法VRAD(ブラッド)

臨床工学技士
花村善洋 後藤勝也
大田喜久 小田裕一

みなさんこんにちは。
今回は「C型肝炎のあたらしい治療法VRAD(ブイラッド)について」を説明いたします。

 この治療「血液浄化法(アフェレーシス)」といって、血液透析もその代表的な治療のひとつですが、それ以外には、膠原病や動脈硬化症、敗血症、ギランバレー症候群、血栓性血小板減少性紫斑病などの腎臓の悪くないかたでも、近年その治療効果が数多く報告されるようになりました。さらに2008年4月からはC型肝炎ウイルス除去療法として保険適応となりその効果が認められています。
 それでは、そもそも「アフェレーシス」とはなんでしょうか?これは聞き慣れない言葉と思いますが、ギリシャ語で”強制的に取り去る”という意味を持っています。従来の医療は(1)「悪いものを切って治す」という外科的なものと(2)「薬を飲む、点滴する」など、体内に薬を入れる内科的なものと大きく二つに分かれていました。アフェレーシスとはそれに加えて(3)「血液の中の病気の原因となる物質を血液の中から取り去る」という、今までは考えられないような新しい治療概念なのです。
 実際は血液中に病気の元となる物質がたくさんある場合に、その物質を予め「アフェレーシス」で浄化した後に、綺麗な体内に薬を投与することで、薬の効き目が良くなることを狙いとします。みなさんも生活の知恵で同じことをされているかもしれません。例えば運動会で泥がたくさんついた子供の靴下を洗う時には、先に水洗いをして眼に見える泥を洗った後で、洗濯機に入れますよね。また皿についたカレーの残りも水洗いして、食器洗浄機にいれたほうがきれいになりますね。それと同じ理由で一旦、ウイルスなどの物質を少なくするわけです。

 それではこのC型肝炎の治療を例にあげてもっとわかりやくご説明します。日本におけるC型肝炎ウイルス感染者数は150~200万人と推測されていますが、従来はインターフェロンやリパビリンなどの抗ウイルス薬のみを使用していました。しかしC型肝炎のほぼ70%はⅠbタイプといって、従来の治療では約33%程度しか効果が見られませんでした。それに対して

  1. まずインターフェロンを投与する前に「アフェレーシス」でウイルス除去をして、ウイルス量を100分の1程度に減量した状態に
  2. 従来のインターフェロンを投薬してウイルス退治をおこなう

 ことにより、今までの33%から66%へと今までの倍の効果が見られるようになったわけです。当院でも昨年から5人の患者さんにこの新型の治療をおこなっていますが、今までのところ予想以上の効果を認めています。今後さらに治療が必要となる患者さんは増加していくことが予想されます。

 今回は「アフェレーシス」の新しい治療方法の1つであるVRAD(ブイラッド)について説明しました。この治療は「VRAD」や「C型肝炎治療」の言葉でインターネット検索するともっとわかりやすく解説されているホームページがあります。

 最後にこの治療の実際のイメージを写真と図で解説します。

  1. ベッドで寝ている患者さんの腕(または足のつけ根)の静脈に針を刺し、血液を体の外に出します。
  2. 血液はチューブを通じてまず、一次濾過膜(膜型血漿分離器)で血液を血球と血漿にわけて
  3. そのうちの血球はそのまま体内に返して
  4. 血漿を二次濾過膜(膜型血漿成分分離器)に送り、そこでC型肝炎ウイルスを分離して、残りの綺麗な血漿を体内に返します。

 県立宮崎病院では以上の新たな治療を2009年から導入し、さらに2010年からはクリティカルパスを用いて、スムーズな治療計画になるように改良しました。もしご希望のある患者さんがおられましたら、お声をおかけください。

医療連携科の活動報告

 当院の医療連携科は、当院の急性期病院としての機能を担うように、「円滑な早期退院、退院後に必要なケアを継続」を目標に退院調整を行っています。

 そのためにも常に地域の医療機関との連携を強化し、それぞれの役割に応じて、相互に協力しあうことで、県民への適切な医療サービスの提供が行えると考えます。
 平成18年度より退院調整のシステム化を実施しております。

 入院時、全患者さんを対象に退院支援スクリーニングシートを作成し、退院支援の必要な患者さんを入院時より退院後の生活をイメージし退院調整を早い段階より検討する事ができます。また、毎週1回病棟ラウンドでケースカンファレンスを行い、病棟で解決できない退院調整においては、医療連携科看護師が退院支援を行うというシステムのもと病院全体で取り組んでいます。これらの退院調整に、入院時より様々な職種の連携が関わることで、患者さんにとっても良好な退院調整につながると感じます。 院外との連携において、昨年は・・・

  • 地域の医療機関訪問・在宅医訪問(年間約20施設)
  • 訪問看護ステーション、介護支援事業所などとの交流会への参加
  • 宮崎医療連携実務者協議会の世話人、参加 ・・・と活動をしてきました。

 地域の医療機関の先生方をはじめ医療機関関係者のみなさまには、日頃より大変お世話になっております。
 今後尚一層の医療連携の充実に努めて参りますのでご支援・ご指導よろしくお願い申し上げます。

医学用語 「病院の言葉をわかりやすく」

 院内で日常的に使われる用語、ドクターの説明で分かりにくい医療用語はありませんか?これからシリーズでそのいくつかを解説していきたいと思います。順不同ですが、比較的耳にされることの多い言葉から選んでみました。 まずはどこの外来へ行っても耳にする「問診表」から始めましょう。日常的に頻繁にしようされる「ショック」「貧血」も、医学的に使用されると意味が異なり、混乱を招く要因となりがちです。これらについて概説します。

  • 「問診表」:
    どんなことで受診されたのか、いつからどのような症状があるのか(主訴、病歴)、過去にどのような病気をされたか、現在妊娠をしていないか(既往歴)、タバコやお酒はどの程度か、アレルギー歴はないか(生活歴)、家族に同様の病気の方はおられないか(家族歴)などを記載していただければ結構です。これらがきちんと「問診表」に記載してあれば医師の診療もスムースに始まります。
  • 「ショック」:
    日常語では、単にびっくりした状態、急に衝撃を受けた状態の意味ですが、医学的にはもっと緊急性をもった概念です。血圧がさがり、血液の循環がうまくいかず、脳や臓器などが酸素不足におちいり、生命にかかわる危険な状態を指します。血圧が下がり顔面が真っ白になる、脈が弱くなる、意識が薄れるなどの症状が現れます。緊急に治療する必要があります。その原因を示し、「出血性ショック」や「アナフィラキシーショック」などの用語もあります。
  • 「貧血」:
    日常語では気持ちが悪くなって、立ちくらみを起こして倒れることを「貧血」の意味で捉えがちですが、これは「脳貧血」を指しています。医師が使用する「貧血」は血液中の赤血球やその中に含まれるヘモグロビンという色素が減り、全身に酸素を運ぶ働きが低下した状態です。そのため疲れやすくなり、動悸・息切れ、めまい・頭痛などの症状が起こります。貧血の原因には、赤血球を作ることができない、赤血球が壊されている、知らないうちにどこからか出血しているなどのことが考えられます。原因によって、治療法も異なりますので、医師の診断をきちんと受ける必要があります。

(神経内科 湊)

栄養管理科 県立病院の「地産地消」のとりくみ

 宮崎県産食材を消費拡大するため「地産地消」の取り組みが各地でなされており、毎月16日が「ひむか地産地消の日」になっております。
 平成20年秋より、毎月16日前後に県立宮崎病院の患者様のお食事に「地産地消」メニューを組み込んでおります。米は日頃より県産米を使用していますが、その日の生鮮食品は宮崎県産食材にしています。
 また、年間通して郷土料理を積極的に取り入れ、少しでも皆様にお食事を楽しんでいただけますよう努めております。

主な郷土料理

チキン南蛮、冷汁、おび天風魚の天ぷら、メヒカリの南蛮漬け、鮎の塩焼き、レタス巻き、カツオのたたき、うなぎの蒲焼き、呉汁など

本日は当病院の地産地消メニューを紹介します。
メッセージカードには材料などを紹介しております。

  • ご飯
  • チキンソテー(添え キャベツ、ミニトマト)
  • 金平ポテト
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