RI検査は、RI(Radio Isotope:放射性同位元素)を用い、そこから放出される微量の放射線を利用して画像を得る検査です。
核医学検査に使用される医薬品は放射性医薬品と呼ばれ、特定の組織や臓器に選択的に集積する性質があります。そのため検査を行うためには静脈注射や服用によって体内に投与する必要があります。検査で使用するRIの投与量は「診断参考レベルDRLs2020」や各ガイドラインを基準に決定し、定期的に評価・最適化を行っております。
RI検査は標的となる組織や臓器によって、使用する放射性医薬品を選択しています。体内に分布した放射性医薬品は核医学検査機器を用い、その体内分布を画像化します。画像化する方法は目的とする臓器や機能によって数種類あります。ベッドをゆっくり動かしながら全身像を得る方法や放射性医薬品を投与しながら医薬品が特定の臓器に集積・排泄される画像から機能を求める方法、機器のカメラ部を回転させながら断層画像を得る方法など検査目的に応じて最適な方法を選択し検査を行います。
当院における検査(SPECT-CT)
当院の核医学検査機器はSIEMENS社製のSPECT-CT装置1台を導入しています。SPECT装置とCT装置が一体化した装置でSPECT画像とCT画像を同じ機械で取得できます。SPECTとは投与した放射性医薬品を多方向から収集し断層画像を得る検査です。SPECT検査で得た機能画像とCT検査で得た解剖学的画像を重ね合わせることで精度よく見やすい画像が作成でき、診断能力の向上が期待できます。
使用する放射性医薬品によって投与から検査までの時間が異なり、投与直後から数時間後、または数日後に検査を行います。また時間をおいて複数回検査を行う場合もあります。微量な放射線を画像化するため他の検査と比較して検査時間が30分~1時間程度と長くかかります。
当院では脳の血流異常を調べる脳血流シンチ、心臓の血流異常を調べる心筋血流シンチ、骨転移を見る骨シンチ、腎臓の機能を調べる腎シンチなどその他全身の検査を幅広く行っています。