宮崎県立宮崎病院

広報誌:県病院から こんにちは

2017 第28号

更新日:2017年6月 1日

5月2日 昼食 普通食
545kcl(塩分 5.3g)
5月2日 昼食 糖尿病の患者さんへの食事
543kcl(塩分 2g)

※糖尿病の患者さんへの食事では、ご飯の量をおさえ、塩分を控えめにしたメニューが考案されています。

今回の医療トピック!

内科より~糖尿病治療薬のお話~

多彩になってきた糖尿病治療薬の歴史と最近の使い方について

 糖尿病治療は、細小血管合併症および動脈硬化性疾患の発症・進展を防止し、健康な人と変わらない寿命を確保するのが目標です。そのための治療として①食事療法、②運動療法、③薬物療法がありこれらを一人一人の病態に合わせて組み合わせていきます。

 1921年にインスリンが抽出され、1957年にスルホニルウレア(SU)薬であるトルブタミドが発売されることで開始した糖尿病の薬物治療は、20世紀後半から著しく進歩しました。インスリン製剤はブタやウシの製剤からヒトインスリン、インスリンアナログ製剤へと進歩し、食事30分前の注射が食直前でよくなり、夜中の低血糖をおこしにくい製剤へと変化しました。2010年にはGLP-1受容体作動薬(注射)が登場しています。GLP-1は食事をした時に消化管から放出されるホルモンであり、血糖値を低下させるインスリンの分泌を促し、ブドウ糖の合成を進めるグルカゴンの分泌を抑制することで血糖値を下げる作用がありますが、糖尿病では分泌が低下しているとされています。

 内服薬では1961年のメトホルミン(ビグアナイド薬)に加えて食後の血糖上昇を抑制するαグルコシダーゼ阻害薬、速効型のインスリン分泌刺激薬であるグリニド薬、インスリン抵抗性改善薬のチアゾリジン薬が登場しています。2009年に発売されたDPP-4阻害薬は既存の治療薬とは異なり、血中グルコース濃度に応じたインスリン分泌促進作用を有すために低血糖の発症が少なく、体重増加もないという特徴を有していたため急速に処方が拡大しました。現在では2型糖尿病に対する第1選択薬の1つになってきています。2014年発売のSGLT2阻害薬は、尿としての糖排泄を増やすことで結果的として血糖値を下げる薬です。インスリンに関係なく血糖値と体重を減らすことができる反面、尿に水分をとられることで脱水が生じ、その結果として脳梗塞、心筋梗塞を起こしやすくなる問題があります。したがって、高齢者への処方は慎重に検討して行う必要があります。

~糖尿病治療薬の歴史~

◇注射薬◇◇内服薬◇
1921年 インスリンの発見
1923年 インスリン製剤の発売
1938年 持続性プロタミン亜鉛インスリンの発売
1946年 中間型NPHの発売
1981年 インスリン自己皮下注射 国内保険適応
1982年 半合成ヒトインスリン製剤の発売

1996年 超速効型インスリンアナログ製剤の発売

2000年 特効型溶解インスリンアナログ製剤の発売

2010年 GLP-1アナログ製剤の発売
1954年 ビグアナイド製剤発売

1957年 スルホニルウレア(SU)薬の国内発売


1993年 αグルコシダーゼ阻害薬の発売
1997年 チアゾリジン薬の発売
1999年 グリニド薬の発売


2009年 DPP-4阻害薬の発売

2014年 SGLT2阻害薬の発売

 2型糖尿病の病態は、主にインスリン抵抗性亢進が主体の場合と、インスリン分泌不全が主体の場合と大きく2つに分けられます。どちらのタイプであるかを厳密に判定するのは難しいですが、インスリン抵抗性亢進型は肥満の人が、インスリン分泌不全型はやせている人が多いので肥満度がある程度目安になります。日本人ではインスリン分泌不全型の糖尿病患者が多いので、DPP-4阻害薬やSU薬といったインスリン分泌促進系の薬剤の方が治療の効果が高く、よく処方されています。DPP-4阻害薬が登場する前は、おおよそ3分の2の方にSU薬が処方されていました。現在、SU薬は患者1人当たりの使用量が減っています。つまり、使える最大量を処方するのでなく、少量ずつ複数の薬剤を使う処方に移行してきているのです。

 2016年5月に開催された第59回日本糖尿病学会年次学術集会において、日本糖尿病学会と日本老年医学会は新しい高齢者糖尿病の血糖コントロール目標値を設定し、公表しました。認知機能やADLの程度、処方薬などによってHbA1cの目標値を設定し、重症低血糖が心配される場合はHbA1cの下限値が設定されており、低血糖を回避する治療は重要になってきています。2型糖尿病を有する高齢者のトラブルの元凶が低血糖にあることがたびたび報告されており、新たな治療目標の設定で安全な治療ができることを期待しています。

糖尿内科 東 真弓

食中毒予防の三原則

病棟紹介

~4東病棟~

4東病棟は、ベッド数40床の産婦人科病棟です。
女性のトータルヘルスケアを担当しています。
産科では、地域周産期母子医療センターとしての役割を担い、母子の命を守るために24時間入院を受け入れ、緊急時に対応できるよう常に備えています。
婦人科では、子宮や卵巣などの女性特有の病気に対して手術・化学療法・放射線療法などの治療を行っています。産婦人科医師8名、助産師22名、看護師5名、ナースエイド4名、クラーク1名、そして多職種が連携・協働し、よりよい医療・看護の提供に取り組んでいます。女性の生涯を通して寄り添い、その人らしさを大切にしながら精一杯支援していきたいと思っています。

~5西病棟~

5西病棟は、脳神経センターです。担当科は、脳神経外科(17床)・神経内科(20床)歯科口腔外科(10床)の混合病棟です。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師2名、摂食嚥下認定看護師1名を中心に、さまざまな専門領域を学んだ看護師が、専門性の高い看護を提供することを心掛けています。
重症で介護度の高い患者さんが多い病棟ですが、スタッフは持てる力を思う存分に発揮しながら、日々、頑張っています。特に口腔ケア・嚥下訓練・褥瘡対策など、抜群のチームワークで取り組んでいます。
これからも、患者さま・ご家族・医師・看護師・薬剤師や栄養士などの他職種と力を合わせてチーム医療の促進に努めていきます。

診療科紹介

放射線科

放射線科は、各種画像検査・診断(単純X線写真、CT、MRI、核医学検査(RI)、X線透視等)と、画像誘導下で行う局所治療(インターベンショナルラジオロジー:IVR)、および放射線治療を行う診療科です。

一般的に「放射線」と聞くと、原爆や原発(事故)のイメージが強く、「目に見えない」、「怖い」、「危険」、「身体に悪い」といったネガティブイメージを持っている方が多いと思います。私たち放射線科は、そんなネガティブイメージの強い放射線を使って検査や治療を行っているわけですが、けっして危険な怪しい団体ではありません。放射線を使った画像は、現在の医療における病気の発見と診断、治療法の選択、治療効果の判定などで欠かせないものとなっており、IVRや放射線治療も現代医療において無くてはならない治療となっております。私たちは、患者さんの協力を得ながら、放射線被ばくを始めとする安全性に十分注意を払って各種画像検査・治療を行っておりますので、どうぞ安心して下さい。

主治医がCT、MRI、核医学検査(RI)などの画像検査の結果をお伝えする時、通常は放射線科で画像解析、診断レポートの作成を行った後に主治医がそれを見て解釈した上で説明を行っております。放射線科で直接患者さんに画像検査の結果等をお伝えすることは少ないですが、私たちは患者さんの受ける医療の質を陰からサポートさせて頂いております。

今後も、患者さんやご家族の皆さんに安心・安全で質の高い検査・治療を提供できるよう日々業務に励んで参りますので、私たち放射線科をよろしくお願いします。

胸部X線画像

胸部X線画像

CTによる3D画像

CTによる3D画像

MRIの画像

MRIの画像

放射線治療装置(リニアック)

放射線治療装置(リニアック)

エキスパートナースから【第6弾!】

緩和ケアについて

緩和ケア認定看護師:横井 いずみ

感染管理

感染管理について

感染管理認定看護師は、病院を訪れるすべての人々、医療従事者を感染から守ることを責務としています。
感染症は、ご自身の免疫システムよりも感染を起こす病原体の力が勝ったときに起こります。私の仕事は、感染成立の輪を断ち切るための対策のお手伝いをすることです。
ところで、風邪やインフルエンザなど、病気を引き起こす感染症の多くは、"手"を介して体内に侵入することが多いと言われています。
風邪やインフルエンザの流行期には、人の手がよく触れる場所(ドアノブや手すり、共用のパソコン等)に病原体が付着しています。そのような場所を触った手で、自分の眼や鼻、口を触ったり、食事をしたりすることで、病原体が体内に侵入してきます。様々な感染症から身を守るためには、手を介した病原体の侵入を遮断する「手指衛生(手洗い・手指消毒)」がとても大切です。誰でもが簡単にでき、最大の効果がある感染予防は、「手指衛生」です。共用物品に触れた後、食事前、トイレ後、帰宅後の手指衛生で、ご自身の体を感染症から守りましょう!!

手術看護について

手術を迎えるまで外来通院で過ごされ、手術前日に入院という時代になりました。これは普段の生活を続けることで快適さを保ちながら、手術に向けてしっかり準備をしていただくためでもあります。
順調な手術からの回復に向けて患者さん自身が取り組むことは、手術を乗り切る自信につながり、手術の後の安全と安楽の保障にもなります。
手術を乗り切るための対処法として、禁煙・禁酒、口腔ケア、喀痰排出法、身体の動かし方などがあります。喫煙はニコチンや一酸化炭素により酸素の運搬能力の低下や喀痰の増加をもたらし、呼吸機能の低下でも十分苦痛を伴いますが、全身に悪い影響を及ぼします。手術の傷の回復も遅らせるため、禁煙は術後の合併症を予防するための優先課題となります。また、口腔内には800種類以上、数千億個以上の常在菌が存在し、体の中で最も菌が多い部位です。この菌が多いほど呼吸器の感染症や全身の病気の原因になる場合があります。特に、全身麻酔では口腔内の菌が気管や肺に押し込まれる可能性があるので、術後の肺炎や感染症を予防するためには手術前からの口腔ケアが重要となります。
口腔内の状態や予定されている手術によっては、歯科での治療も検討されます。
このような準備期間を経て手術に至るまで、さまざまな不安や葛藤に揺れ動いてきたことを理解し、思いを表出していただけるように、思いに寄り添った看護を提供してまいります。
そして、患者さんひとりひとりの全身状態や背景を捉え、手術でできる傷以外の傷(合併症)をつくることないように安全を保障し、患者さんが受けられる手術が最大限の効果を発揮できるよう、チーム一丸となってお手伝いさせていただきます。

手術看護認定看護師:河原 香奈子

乳がん患者会のご紹介

乳がん患者会「コスモス会」とは

「コスモス会」は乳がん患者さん同士の語り合いや、専門医・看護師からの話(勉強会)を通じて、前向きに病気や治療に取り組んでいけることを目的としています。
周囲に病気や治療のつらさを話すことが出来ない時、気持ちを分かってもらえない時、下着のことや乳房再建など経験者から話を聞きたいとき・・・
外来・入院を問わず、どなたでも参加出来ます。

<毎月のサロン会>
場所: 県立宮崎病院 3階 会議室
日時:1時間講義、その後1時間茶話会
  • 参加費は基本無料です。講義内容によっては参加費をいただくことがあります。
  • 10月は総会があるためサロン会はありません。
    8月もお休みです。

8東病棟での取り組み

入院患者さんが気軽に立ち寄れる乳がんケア用品の展示室を病棟内に開設しました。
ぜひお立ち寄りください。

<展示しているもの>
  • ウィッグ
  • ウィッグパンフレット
  • 下着
  • 人工乳房パンフレット
  • 爪、皮膚ケア用品
  • ケア用品パンフレット
  • 各化学療法薬パンフレット
「コスモス会」総会

毎年10月第1土曜日は「総会」を開催しています。

  • 場所: 県立宮崎病院 3階 講堂
  • 時間: 10時~12時【参加費500円】

2016年度は乳腺専門医が「今後の乳がん診療」、病理診断科医師が「乳がんの病理診断について」講義を行いました。講義のあとは、各テーブル毎にフリートークの時間を設けています。悩みや疑問など参加者同士で活発に話合いがなされます。

また、アロママッサージを行ったり、乳がんケア用品のパンフレット・ウィッグ・下着などの展示も行っています。

看護職募集

看護師(臨時職員)募集

1. 応募資格 看護師、准看護師の免許を有し、1年以上の経験をお持ちの方
2. 選考方法 面接及び書類選考、※履歴書1通、看護師免許証の写し1通を準備ください
3. 業務内容 入院看護
4. 雇用形態 臨時職員(1日8時間勤務、3交替制)
5. 給与 月額22万円程度(実務経験5年、交替制勤務の場合)及び
年2回一定額のボーナス(交替制勤務の場合)
6. 健康保険等 社会保険、厚生年金、雇用保険加入
7. その他 完全週休2日制、年休制度有り、5km以上車通勤者は駐車場有り
準夜勤あけ、深夜勤入り時のタクシー代支給制度有り

パートタイム看護補助員(3シフト制)募集

  • 無資格で看護師の補助作業や病棟環境を整える業務を担います
  • 7時間勤務 6,910円(月:20日間)
    ※随時面接を行っております

応募先及び問い合わせ先
電話(代表)0985-24-4181(内線)2206 看護部まで

編集後記

今回の医療トピックは、現代日本の国民病である糖尿病のお話です。治療の変遷を概説していただきました。2009年以降は画期的な内服薬が出現していることがわかります。
でも、やはり治療の基本は、食事療法、運動療法であることは今も昔も変わらない事実であります。日頃の生活に十分に気をつけて努力することを、私もいましめとしたいと思います。内科の東先生ありがとうございました。

一人ひとりの予防で感染を防ごう!!

広報委員会 神経内科 湊 誠一郎

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