宮崎県立宮崎病院

広報誌:県病院から こんにちは

2016 第27号

更新日:2016年5月10日

ごあいさつ

 平成28年4月14日から発生している熊本地震の犠牲者の皆様にお悔やみ申し上げます。また被災者の皆さんにお見舞い申し上げます。地震発生を受け、当院は速やかにDMAT(災害派遣医療チーム)、DPAT(災害派遣精神医療チーム)の現地派遣、被災入院患者の受け入れ等を行いました。その後も、医療チームを断続的に現地派遣しています。当院は基幹災害拠点病院でもあり、できることは職員一同精一杯するつもりです。

 さて、当院の役割は多岐にわたっていますが、今回は感染症医療について述べます。当院はほぼ全ての診療科がそろっている総合病院ですので、その長所をいかして、診療科横断的な対応が必要とされるエイズなどの感染症に対応しています(平成20年にエイズ治療中核拠点病院に指定)。エボラ出血熱などの第一類感染症については、宮崎県では対応できる感染症病床が無く、他県にお願いする状況でしたが、昨年12月に当院が第一種感染症指定医療機関の指定を受けました。いざというときに対応できるよう鋭意訓練を重ねています。

 現在の病棟は昭和58年の竣工であり、診療に支障をきたす部分も多くなったため、更なる診療機能の向上を目指して、現在の地に建て替えをすることとなりました。現在基本設計中であり、平成33年度に竣工予定です。ご期待ください。
 これからも県立宮崎病院は県民の健康のために努力していきます。県民の皆さんにはこれまで以上の叱咤激励、声援、応援をお願いいたします。

診療科が増えました!! 総合診療科

 総合診療科(総合内科)は昨今の時代の需要(超高齢社会への突入、疾病構造の複雑化、多様化、専門化)と今後の展望から昨年4月に新設された科です。今季はスタッフ1名+後期研修医2名+初期研修医でチームを作り、診断を中心に臓器別専門医と連携をとりながら内科外来~入院治療を行っています。横断的な診断能力を発揮することができる救急外来では救命救急科と連携をとりながら、内科外来では臓器別専門医と連携をとりながら、診断だけでなく入院治療まで幅広く行っています。
 メジャーな科ではなく、その守備範囲はわかりづらいところもありますが、いつも素振りをしてネクストバッターサークルに控え、レギュラー選手に近い働きができるように心がけています。
 平日火曜以外の内科外来にでていますので、どの科に相談していいか分からない患者さん、診断が不明な患者さん(例:不明熱、体重減少、倦怠感など)がいましたらご紹介ください。また、平日の午後の受診や入院の相談も直接当科までご連絡いただければ可能な限り対応させて頂こうと思います。

上平 - 石井/松尾 石井/松尾 上平

今回の医療トピック! 歯科口腔外科より

顎変形症に対する顎矯正手術のご紹介

 噛み合わせが悪く、うまく噛めない、顎が出ている、顎が長い、顎がずれて左右非対称が気になるなどとお悩みの方はおられませんか?そのような方にはいわゆる歯科矯正治療だけでは治せないような方がおられ、これらを顎変形症といいます。
 この病気は、上あごや下あご、あるいはそれら両者の大きさや形、位置などの異常、上下関係の異常などによって顎顔面の形態的異常と咬合の異常をきたして、咀嚼や発音などの機能障害、美的不調和、精神的な問題をも引き起こすものです。
 この病気に対して行われる治療には、顎矯正治療(外科的矯正治療)と言って、『手術を併用して噛み合わせを治す治療法』があります。噛み合わせと共に容貌も変化しますので、顔の形などで悩んでいる方にもお奨めできる治療法です。
 当科では、矯正専門医と連携を取りながら治療を進め、年間25~30例程度の顎矯正手術を行っています。

 治療の流れは、当科もしくは矯正歯科医院を受診された方のうち、顎変形症の診断となった方で、矯正歯科医院にて術前矯正治療(約1年)を行っていただき、上下の歯列をそれぞれ整えます。その段階で、当科にて全身麻酔下で顎矯正手術を行います。
 顎矯正手術とは、上下顎骨を手術にて前後、または左右に移動することで、噛み合わせと容貌を正しく整える治療です。手術時期は、体の成長が止まる時期以降で、男性で17~19歳、女性では16~18歳以降となります。
 手術は全身麻酔下で、口腔内から行い、顔には傷は入りません。手術方法には、Le Fort Ⅰ型骨切り術、歯槽部骨切り術、下顎枝矢状分割術、下顎枝垂直骨切り術などがあります。どの手術法を用いるかは、変形の部位や程度、あごの移動方向などによって決まります。
 それぞれ移動したい骨を分割し、予定した位置に移動して骨を固定します。当科の特徴としましては、骨固定にあります。プレート除去のための2回目の手術を回避するために、生体吸収性(自然に吸収されて消える)プレートで固定しています。
 術後は1週間弱の顎間固定(口があかない状態)を行います。退院時には、お粥が食べられるようになって退院となります。
 下顎単独の手術であれば必要ありませんが、上あごと下あごを同時に行う際には、自己血貯血を行っています。
 入院期間は2週間となります。退院後は、矯正歯科医院にて術後矯正治療が行われます。当科にも、術後1年間は定期的に通院していただきます。
 なお、歯科矯正治療では保険は適応されませんが、顎矯正手術を受けられる方は、治療にまつわる矯正治療も保険が適応されます。


上あごを前方に,下あごを後方に移動し,顎先を短縮した症例

もしも現在,噛み合わせや容貌でお悩みの方は,当院歯科口腔外科や近くの矯正歯科医院を受診して下さい。

歯科口腔外科 伊藤 雅樹

診断・病棟紹介

病理診断科

 「病理診断」とは? 簡単に言うと、患者さんから採取・切除した検体をガラス標本にして、顕微鏡を使って病気の診断をするところです。
 今年1月からフジテレビ系列水曜夜に「フラジャイル」(病理医を主人公とした初めてのもの)というドラマが放映され、ご存じになった方も多いと思います。ドラマゆえ、あり得ない、かなり誇張されていたことが多々ありましたが、『病理診断』という医療行為を行っている部門があること、「病理医」という医師がいることを一般の方々に紹介できたことは大きな意味があります。ちなみに、当院にはドラマのような偏屈な先生は居ませんし、カンファレンス荒らしもしませんが、言うべきことは言います。これもすべて患者さんのためです。
 『病理診断』は、「組織診断」、「細胞診断」、「病理解剖」の三本柱からなり、当院では病理専門医2名で年間に組織診検体5千件(ガラス標本4万枚強)、細胞診検体6千件(同約1万枚)を診断していますが、それには最新の見識と細心の注意力が必要で、常にそれらが最高の状態にあるようにしています。これらは検体からガラス標本を作製し、細胞診のスクリーニングを行ってくれる「縁の下の力持ち」臨床検査技師6名(うち細胞検査士3名)・事務担当2名の多大な労力によって成り立っています。
 この総勢10名で、「明るく、楽しく、厳格に!」をモットーに、迅速で正確な診断を提供するように頑張っています。顕微鏡でみるガラス標本の組織像・細胞像の向こうに患者さんの顔を思い浮かべながら!

病棟紹介

6西病棟

6西病棟は、整形外科50床の病棟です。
職種の内訳は、医師8名・看護師23名・ナースエイド
4名・クラーク1名です。
整科外科は、首から足先までの運動器疾患を扱う診療科です。
急性期の病院の役割として、緊急や予定の入院で、手術を必要とされる等の患者さんを中心に入院を受け入れています。手術後は、地域連携科の担当者と連携し、リハビリ継続のため、転院される患者さんが多い病棟です。
患者さんが、「住み慣れた地域へ、歩いて帰ることができる」ことを最終目標に、今後も全職種で頑張ってまいりたいと思います。

5東病棟

5東病棟は、循環器内科24床、心臓血管外科12床、内科8床の循環器センターです。
毎年、循環器内科におけるカテーテル検査及び治療は550件以上、心臓血管外科による手術件数は急患を含め280件以上を超えています。
入退院も激しいなか、スタッフ一丸となって質の高いケアを提供しようと他職種連携を強めながら頑張っています。
今後は、包括的心臓リハビリテーションに力をいれ、患者さんに納得して頂ける看護の提供が出来るように努力したいと思います。

リンパ浮腫ケアのご紹介

リンパ浮腫とは?

手術でリンパ節切除(郭清術)をしたり、リンパ節に放射線療法をした患者様が、その後に起こる浮腫(むくみ)のことを『リンパ浮腫』といいます。

リンパ浮腫で大事なこと

リンパ浮腫の正しい情報を知り、浮腫を予防したり、浮腫が出た時は、早期にセルフケアで対応することが大事です。

浮腫が発症したら?

治療の流れ

  1. 主治医に相談
  2. 主治医よりリンパ浮腫ケア資格者にケア依頼
  3. 治療介入

※介入は2~5回を目安で、ご自身でケアできるようになったら介入を一時終了。
浮腫が発症したら、再度予約調整して介入していきます。

※現在は、当院の手術歴のある方のみ治療介入を行っております。

院内での取り組み

当院には、リンパ浮腫ケアの資格者が4名(外来1名・病棟3名) おり、活動をしております。
活動としては、

☆婦人科  
 乳腺外科 ┐ 術後のセルフケア方法を説明
┘ リンパ節郭清術を行われた方が対象
 泌尿器科
☆当院で手術歴のある方(婦人科・乳腺外科のみ)のリンパ浮腫発症後の治療方法をご自身でケアできるように説明
☆患者会で資格者が勉強会開催
 乳腺外科→コスモス会
 婦人科 →婦人科がん患者会
☆医療者対象の院内勉強会 ☆資格者同士の勉強会・症例検討
等々

患者会での様子

リンパ浮腫ケア資格者4名資格者同士の勉強会の様子

エキスパートナースから【第5弾】

口から食事を美味しく食べる!

食事の時に突然むせることがありませんか?
「誤嚥(ごえん)」という言葉をきいたことがありますか?
「誤嚥」とは口から摂取した食物や水分が、食道ではなく声門を越えて呼吸をする気管へ入り込んでしまった状態のことをいいます。

むせても、しっかり食物や水分を出すことができれば問題はありません。
ですが、脳卒中の後遺症や呼吸器疾患のある方、高齢の方は、のどの感覚が低下していたり、咳する力が弱いことがあります。また、呼吸と飲み込みのタイミングがずれたりすると、しっかりと食物や水分を咳で出すことができず、肺炎となってしまうこともあります。

特に入院中の患者さんは体力の低下や、様々な病気によって誤嚥しやすい状態になっています。
私はこの「誤嚥」を予防できるように、また少しでも早く口から食事を摂取していただけるように、医師や言語聴覚士、栄養士と一緒に連携しながら患者さんへの介入をさせていただいています。一人でも多くの患者さんが口から食事を美味しく食べ、回復していただけるよう努めていきます。

5階西病棟 脳神経センター
摂食・嚥下障害看護認定看護師
河野 美由紀

看護師(臨時職員)募集

1. 応募資格 看護師、准看護師の免許を有し、1年以上の経験をお持ちの方
2. 選考方法 面接及び書類選考
※履歴書1通、看護師免許証の写し1通を準備ください。
3. 業務内容 入院看護
4. 雇用形態  臨時職員(1日8時間勤務、3交替制)
5. 給与 月額22万円程度(実務経験5年、交替制勤務の場合)
及び年2回一定額のボーナス(交替制勤務の場合)
6. 健康保険等 社会保険、厚生年金、雇用保険加入
7. その他 完全週休2日制、年休制度有り
5km以上車通勤者は駐車場有り
準夜勤あけ、深夜勤入り時のタクシー代支給制度有り

応募先及び問い合わせ先
電話(代表)0985-24-4181(内線)2206 看護部まで

『感染対策の基本』とは?

その1 咳エチケット

  • 咳が出るときはティッシュで口や鼻を押さえるか、マスクをつけます。
  • ティッシュを捨てたあとは、手洗いをしましょう。

その2 手洗い

  • トイレの後、食事の前、帰宅後、調理の前は、念入りに洗いましょう。
  • 手洗いは流水で石けんを使って、洗い残しが無いように念入りに洗います。
  • 手洗い後は清潔なタオルやペーパータオルなどで手を拭きます。

一人ひとりの予防で感染を防ごう!!

編集後記

 皆様、こんにちは。今回のトピックの一つは「噛み合わせ」です。口の中は普段見ない部分なので自分の「噛み合わせ」について改めて考えることは少なく、「こんなものだろう」と思っている方が多いのではないかと思われます。しかし、噛み合わせが悪いと身体に対する様々な影響もあるようです。スポーツ選手が使うのは腕や脚の筋肉なのに、噛み合わせを矯正する治療をする選手もいるという話もあります。子どもの頃の虫歯治療であじわった激痛の記憶からどうしても歯科には恐怖感がありますが、噛み合わせが気になる方は受診してみてはいかがでしょうか。

広報委員 産婦人科 栗原秀一

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