宮崎県立宮崎病院

広報誌:県病院から こんにちは

2002 第9号

更新日:2002年4月10日

 昨年12月10日より、当院臨床検査科に輸血管理室が設置されました。これは従来まで別々に機能していた血液製剤管理部門と輸血関連検査部門を一元化したものです。輸血とは献血で得られた貴重な血液を直接患者様の体に移植するもので、より安全で適正な使用が求められています。輸血療法は出血による血液の喪失や血液疾患、その他血液成分の産生低下や機能低下などの治療に必須であり、広く行われてきた治療法ですが、間違いは直接患者様の命に関わります。輸血部門が一元化したことで、新しい血液製剤管理システムも導入され、患者様一人一人の検査データ、輸血歴、副作用歴などの情報は輸血管理室で瞬時に検索可能となり、迅速に患者様に合った輸血用の製剤を供給することが出来るようになりました。また、事務的処理を少なくして、医療従事者による輸血ミスが無くなる様に努力しています。医療側の治療手段としての輸血のあり方が適性かどうかのチェックも輸血管理室で行うことが出来ます。さらに輸血部門の一元化と共に輸血療法委員会も設置し、この委員会で当院の輸血療法のあり方が決定され、輸血管理室と臨床側とが連携を組む理想的な体制が作られました。輸血管理部門の一元化は県病院にとって大変発展的な出来事だと思います。患者様がより安心して輸血療法を受けられる病院作りに少しでも貢献できたらと思っています。

ヘリコバクター・ピロリ菌の話

胃・十二指腸潰瘍の治療が対症療法から原因療法へ

内科 菊池郁夫

 胃・十二指腸潰瘍の原因のヘリコバクター・ピロリ菌という名前を聞いたことがありますか?
 数年前まで消化性潰瘍(胃潰瘍と十二指腸潰瘍を含む 以下潰瘍)の原因はストレスなどといわれていました。しかし、1983年 Marshall らによって発見されたヘリコバクター・ピロリ菌(図1)が大部分の潰瘍の原因であることが最近わかってきました。

【図1】ヘリコバクター・ピロリ菌の写真(エーザイ(株)筑波研究所撮影)

 ヘリコバクター・ピロリ菌は以前より胃の病理標本ではよくみられた細菌ですが、あまり注目はされていませんでした。現在の日本では40才をこえると感染率は80%をこします。潰瘍の胃・十二指腸には高い確立でヘリコバクター・ピロリ菌がいます(80~90%)。またヘリコバクター・ピロリ菌を抗生物質などで除菌すると高い確率で潰瘍の再発がありません(図2)。


【図2】ヘリコバクター・ピロリ菌除菌と潰瘍再発(武田製薬)

 これらから現在では潰瘍の主たる原因はヘリコバクター・ピロリ菌であると考えられています(もちろんヘリコバクター・ピロリ菌以外の因子の関与もありますが)。2000年11月よりヘリコバクター・ピロリ菌除菌が健康保険でみとめられるようになりました。除菌には3種類の内服薬を1週間服用します。詳細は担当医へお問い合わせ下さい。
 ヘリコバクター・ピロリ菌はまた胃原発のある種の悪性リンパ腫の原因であると証明されています。また胃癌への関与もいわれていますがまだ確定ではありません。
 20数年前の潰瘍の治療には胃切除術ももちいられていました。1981年にH2受容体拮抗剤(商品名 タガメット ガスターなど)の出現で潰瘍は内服薬でよくコントロールできるようになりました。しかし潰瘍の再発は必発でした。今回ヘリコバクター・ピロリ菌が発見されその除菌法も確立され、ようやく潰瘍の原因療法ができるようになったという訳です。

元気ではつらつ!食生活のススメ

栄養管理係 久野明子

 健康と食生活は、切り離せない関係ですね。今回は健康で長生きのできる食事についてまとめてみました! ぜひ、参考にして下さい。

(1) 塩分を撮りすぎない

県民の1日食塩摂取量は平均11.1gです。1日10g以下を心がけましょう。また、高血圧のある方は7g以下が目標です。薄味に心がけましょう。

  • 食塩含有量の一例
    たくあん20g(2切)=1.4g、あじ干物60g(1切)=1.8g、みそ汁1杯(あわせみそ15g)=1.5g

(2) 食べ過ぎをさけ、肥満を防ぐ

肥満はあらゆる生活習慣病の危険因子です。以下に示した計算方法で、みなさんの標準体重と必要エネルギー量を計算してみてください。

  • 標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
  • 必要エネルギー量(キロカロリー)=標準体重(kg)×25~35

(3) 動物性(肉・卵)脂肪よりも、植物性油や魚油を

両方ともアブラではありますが、性質が異なります。肉料理に偏りがちな人は、魚料理を努めて摂るようにしましょう。

  • 動物性脂肪(肉・卵)→悪玉コレステロールを増やす。
  • 植物油、魚油→悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす

(4) アルコールは適量に

アルコールは1gあたり7キロカロリーのエネルギーです。砂糖が4キロカロリーですから、決して無視できません!アルコールの飲み過ぎは中性脂肪を増やすもとでもありますから、適量に抑えて上手に付き合いたいものです。

  • アルコールの適量
    ビール...中ビン1本・日本酒...1合・ウィスキー...シングル2杯

(5) 食物繊維を十分に

食物繊維のはたらきは「便秘予防」だけではありません。血圧の上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑制するなど、とても機能的な「栄養素」です。食物繊維の多い食品を摂る習慣をつけましょう。

  • 食物繊維の多い食品
    野菜・果物・きのこ・こんにゃく・豆・海草

 バランスのとれた食生活は、一人一人の心がけしだいです。栄養たっぷりの、ステキな食卓を創りましょう!
 また、栄養指導を希望される方は、予約制になっていますので、受診中の外来・病棟でお尋ね下さい。

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